気ままな読書ライフ

気ままな読書日記

和辻哲郎「風土」 第二章の勉強会

【復刻版】和辻哲郎の「風土―人間学的観察」 (響林社文庫) 作者:和辻哲郎 響林社 Amazon コロナ禍の状況下になってから、知人(先輩)とzoomによる読書会を月イチのペースでやっているが、今日は「風土」の第二回目の勉強会の日だった。朝8:30から約90分ほど…

和辻哲郎の「風土」

この前友人とLINEメッセージを交換してたなかで、高校時代の社会の選択科目にあった「倫理社会」の話題に至った。それで思い出したのだが、その「倫理社会」の先生が、”和辻哲郎の「風土」を読む”という課題を我々に与えたことを思い出した。 どういう経緯と…

「新聞大学」外山滋比古

新聞大学 (扶桑社文庫) 作者:外山 滋比古 扶桑社 Amazon 少し前までは人生50年と言われ、還暦(60年)をクリアすると非常に喜ばしいこととされ、さらに70歳では「古稀稀なり」とそんなに長生きする人は稀だと言われていた。ところが寿命が延びてくると、逆に…

「思考力」外山滋比古

思考力 作者:外山滋比古 さくら舎 Amazon 冒頭、ベーコンの「知識は力なり」という言葉と、デカルトの「我思う故に我あり」という言葉が対比的に紹介される。 これまでの物理的なパワーに対し、多くの知識を身に着けることこそが「力」であると主張したのが…

「失敗談」外山滋比古

失敗談 作者:外山滋比古 東京書籍 Amazon 著者が自身の子どもの頃を回想したり、社会人となり編集者として活動されていた時代の話や、中学校の新任教師となったときのことなど、自らの失敗談を面白くかつ赤裸々に紹介されている。どちらかというと頭脳明晰と…

「閉鎖病棟」

閉鎖病棟 (新潮文庫) 作者:蓬生, 帚木 新潮社 Amazon 帚木氏は、先日「ネガティブ・ケイパビリティ(答えの出ない事態に耐える力)」という著書を読んで初めて知り、精神科医で小説も書かれているんだ~という関心が、本書を読んでみようという動機となった…

「ネガティブケイパビリティ」 答えの出ない事態に耐える力

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書) 作者:帚木 蓬生 朝日新聞出版 Amazon 例えば誰かから悩みの相談を受けた場合に、どのような対応をするか? 例えば自身のこれまでの習性として、内容を聞いて、幾つか思い当たる解決策の中…

「宮本武蔵」 円明の巻

宮本武蔵全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫) 作者:吉川英治 発売日: 2013/06/28 メディア: Kindle版 ◆円明の巻 再読を思い立ち、読み続けてきた「宮本武蔵」も、ついに最終巻「円明」の巻を迎えた。前巻では、武蔵が宝蔵破りの冤罪で囚われの身となるが、…

「宮本武蔵」 二天の巻

宮本武蔵全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫) 作者:吉川英治 発売日: 2013/06/28 メディア: Kindle版 ◆二天の巻 「二天の巻」、まるで新聞の連載を読むかのようなペースで読んでいたので、読了までに相当の時間がかかってしまった。それでも、その時、その…

「宮本武蔵」 空の巻

宮本武蔵全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫) 作者:吉川英治 発売日: 2013/06/28 メディア: Kindle版 ◆空の巻 吉岡一門との一乗寺下り松の決闘を制した武蔵は、生きてお通と会えたことを喜び、お通もまた命ある武蔵と会えたことに至上の喜びを感じた。若い…

「宮本武蔵」 風の巻

宮本武蔵全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫) 作者:吉川英治 発売日: 2013/06/28 メディア: Kindle版 ◆風の巻 「序の巻」に、「宮本武蔵のあるいた生涯は、煩悩と闘争の生涯」とあった。この「風の巻」では、その闘争の局面と、煩悩による心の葛藤が、特に…

「宮本武蔵」 火の巻

宮本武蔵全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫) 作者:吉川英治 発売日: 2013/06/28 メディア: Kindle版 ◆火の巻 「火の巻」は、伏見城の築城現場から始まる。著者、吉川英治のカメラワークは、大河ドラマを見ているように場面が切り変わっていく。秀吉の天下…

「宮本武蔵」 水の巻

宮本武蔵全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫) 作者:吉川英治 発売日: 2013/06/28 メディア: Kindle版 ◆水の巻 信長が桶狭間の戦いのおり吟じたという幸若舞「敦盛」の一節、「人間五十年、化転のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり」から「水の巻」は始まる…

「宮本武蔵」 地の巻

宮本武蔵全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫) 作者:吉川英治 発売日: 2013/06/28 メディア: Kindle版 ◆地の巻 あの関ケ原の合戦後の、死の骸が転がる荒れ果てた戦野のシーンから始まる。武蔵(たけぞう)と村での親友・又八が、自分たちが「生きている」と…

「宮本武蔵」 序

宮本武蔵全一冊合本版 (吉川英治歴史時代文庫) 作者:吉川英治 発売日: 2013/06/28 メディア: Kindle版 ◆「序」 若き日、青春小説として何度も読んだ吉川英治の「宮本武蔵」を、時を経て、なぜかまたもう一度読んでみたくなった。・・・やはり、吉川英治の渾…

「決断力」羽生善治

いま、「将棋」と言えば、藤井翔太さんのほうが話題性は高いだろう。しかし、将棋を通した人生観みたいなものを読むとすれば、すでにレジェンドの域に入ってきた羽生さんではなかろうか。本書のプロフィールを読むと、羽生さんの本に、角川からは本書「決断…

学校に行きたくない君へ

「全国不登校新聞」というメディアがあることを初めて知った。このメディアは、全国不登校新聞社の発刊ですでに20年以上の歴史があり、その間一度も欠刊がなかったそうである。 同社の代表理事奥地圭子さんは、1984年から「登校拒否を考える会」を立ち上げ、…

「法華経の智慧」第二巻

しばらくサボっていたブログ。久々に更新しよう。 直近(といっても夏の終わり8月だが・・・)の投稿を思い出すと、ちょうど法華経の智慧」を再読し始めたところだった。もう一度「法華経」を学び直したくなったのだ。 ブログはサボっていたが、読書はサボ…

「こころの傷が治った」

今度は、具体的な心理療法に関する本である。河合先生と同じユング心理学に基づく心理療法家・網谷先生とその師匠の織田尚生先生のかカウンセリング事例紹介本である。心が病んでしまった子どもが、心理療法により症状が改善した17事例が紹介されている。 こ…

「法華経の智慧」第1巻

発刊当初に一度読み、その内容の深さに感動を覚えた記憶があるが、今回もう一度学び直したくなり、第一巻からまた再読を始めた。 先般読んだ、河合隼雄先生の「ユング心理学と仏教」の中で、扱われていた仏教が「禅」及び「華厳経」であったので、さらに仏教…

「奇跡の脳」

著者の名前は、ジル・ボルト・テイラー。ハーバード医学校での研究の傍ら後進を育成するなど、自身も現役若手の脳科学者として成功し、活躍していたが、突然脳卒中に襲われる。通常であれば、命を失うか、仮に命は助かったとしても普通の人生を失ってしまう…

最近の読書:「ユング心理学と仏教」

前回ブログを書いてから3週間近い。あっというまに8月も終盤に入ってきた。 蝉の鳴き声も、あのジリジリとストレスを増幅させるようなアブラゼミの鳴き声から、最近ではツクツクホウシの声が聞こえる。この鳴き声を聞くと、夏もやっと終盤にさしかかってきた…

介護日記5:三好春樹先生のオンライン講義を聴く

介護のススメ・夏篇 講師:三好春樹 ~いい介護ってなんだろう~Withコロナの時代に濃厚接触の介護はどうなる? この4月より現在の介護施設に就職したのだが、そこの施設長さんからこの三好先生のことを紹介してもらった。もちろん、この業界が初めてのこと…

雑談:介護日記4

今日は、夜勤明け。 前回の「介護日記3」も夜勤明けの日記だったが、前回に比べて今回の夜勤は、比較的平和な明けを迎えることができた。前回、けっこうパニくり、集中砲火を浴びた敗戦投手さながらであったが、今回はなんとか長打、連打を浴びることなく、…

佐藤優さんの「教養」とは

人をつくる読書術 作者:佐藤 優 発売日: 2019/02/02 メディア: Kindle版 タイトルに魅かれて購入した。帯には、「作家、外交官、教育者、キリスト教者ー多彩な顔を持つ筆者が教える『読書の哲学』」とある。 そういう訳で、本書の章立ては次のようになってい…

出口治明さんの「教養」とは

人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書) 作者:出口 治明 発売日: 2015/09/30 メディア: 新書 現代を代表する博学・教養の人ともいえる著者が書かれた「本物の教養」についての本であるので、とても興味深く読んだ。 著者の教養の定義は、「教養とは、人生…

客観的で抽象的に考える(決めつけからの脱却)

人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書) 作者:森 博嗣 発売日: 2013/03/15 メディア: 新書 先般、「意識・無意識」に関する本を読んだ際に、「意識」というのは非常に「思い込み」や「決めつけ」が多く、主観的になってしまいがち…

無意識の自動運転

例えば、「人前で話をするケースで、あまりにもいろいろなことを意識しすぎて、緊張が高まってしまい、うまく思ったことがしゃべれかった」とか、「苦手なタイプの人と会うとどうも会話をするまえから身構えて、会話がぎくしゃくしてしまった」とかいうこと…

雑談:介護日記3 昨夜は敗戦

試用期間(3か月)が終了すると、いきなりシフト表に夜勤の回数が急増した。月に8回の夜勤。これまで日勤しか経験のない自分としては、生活スタイルが一転することになる。介護職は、体力勝負とは聞いていたが、本当に心して健康管理に努めていかなければ、…

雑談:介護日記2 職場の雰囲気

第二の人生として、自ら選択した新たな職場「有料老人ホーム」。様々な思いや考えのもとに、全く未経験のこの世界で挑戦してみようと決意し、定年退職日の翌日からスタートした。ここではまだあまりこの世界に染まっていないうちに、率直な感想を記し、自身…