気ままな読書ライフ

気ままな読書日記

「自分らしく」生きるとは自分のフィールドを見つけること

この表紙が、この本の内容のほぼ半分は物語っている。
字の大きさからして、この本のメインタイトルは「サラリーマン2.0」のほうで、サブタイトルが「週末だけで世界一周」なのだろう。そして、著者の名前の上には「リーマントラベラー」とある。そして解放感全開の写真。
 
まず、この「サラリーマン2.0」の「2.0」
著者の東松氏にとっては、サラリーマン生活がVer1.0からVer2.0に進化したということらしい。この表現がいいなと思う。
 
彼は、受験し学生生活を過ごし、就職活動をし、広告代理店に就職しサラリーマンVer1.0となった。そこまでの人生はごく普通の人生だった(実際には、ちょこちょこ「何かをやる男」的な片鱗はみられるが)。決められたラインにのっかって普通に過ごしてきたし、就職してサラリーマンなれば、この会社で普通にサラリーマンとして一生すごすのだなと思ったという。
 
広告代理店のサラリーマンとして、多忙に追い回されて、耐力(体力)との勝負のような毎日が過ぎていく。Ver1.0時代、彼は自分のことを「社畜」(会社に飼われている家畜)とまで表現している。しかし彼は、あるきっかけでそこから脱出する方法を見つけたのだ。
 
表紙をめくると「休み方を変えれば、働き方が変わる。働き方が変われば生き方が変わる」とある。彼が身で実感したメッセージのようだ。世間で言われている形式的な「働き方改革」ではない、彼自身が心から実感している「働き方改革」だ。政府で進める政策もこういう実質面を追究すべきだと思う(笑)。
 
彼は「世界の旅」に目覚めた。「旅行」でなく「旅」に。その定義の違いも本書の中で彼は語っている。
 
前半は、彼の「旅」の体験記とその感動が綴られている。サラリーマンをしながら、週末休を利用して海外を訪れるという大胆なプランを企て実行に移す。最後には、サブタイトルにあるように、週末プラスαの正規の休暇を組み合わせて、世界一周を成し遂げてしまう。自らを「リーマントラベラー」と呼び、最高に楽しみながら「リーマン」と「トラベラー」を両立させているのである。
 
それに加えて、その各地での「旅」の内容がいいのである。「土日のたった二日で何ができるか」という心配はぶっとんでしまうくらい充実が伝わってくる。
 
もちろん費用は間違いなくかかる。その点は読者にとって一番気になるところだ。しかし、彼の価値観はそれとは比べられないようだ。というか、そこまでのめり込めている時点で、彼の人生は完全にVer2.0だ。
 
そして本書の一番のエキスは、最終章にある。彼の考えが述べられている章だ。
 
「自分らしく生きる」とは「自分らしく生きる」を自分に対して証明することだという。直感に従って、ワクワク感に従って生きるということが本当に正しいんだということを自分に対して証明することらしい。
 
「自分らしい生き方」を見つけるための3ステップというのを彼なりに述べている。その中で、「直感とは挑戦」といい、「直感は統計学(経験を積むことで直感の精度が増すという意味のようだ)」といい、「迷ったら攻める、違ったら即辞める」という言葉は共感できた。
 
彼は、「毎日過去最高を更新し続けている」と語っている。彼にとってはそのフィールドが「世界への旅」だが、それはどんなフィールドでもできるという。自分のフィールドを創ることだと。

 

サラリーマン2.0 週末だけで世界一周

サラリーマン2.0 週末だけで世界一周

 

 

 

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