気ままな読書ライフ

気ままな読書日記

青春キップ読書の旅

 

またまた久々のブログ更新。更新ネタは幾つもあるのになかなか更新できないなぁ・・・と思っている間にもう年の瀬。世の中で多忙に活動しつつ、日々更新される方々に敬礼したい気持ちである。「習慣化」は2020年への持越し課題だ。

 

今回は「青春キップ読書の旅」なんていう楽しそうなタイトルになったが、実は「遠距離介護のための低コストの旅」という裏本題がある。介護施設に入る母親への年末の挨拶(顔見せ)の旅なのである。

 

現在よく言われる介護の社会的な課題については、自分自身もほぼ該当しており、自分の場合は直接介護することの困難を選択せず、介護保険制度を活用して外部のプロの支援を活用する選択をしているが、東京(自分)と大阪(親)という遠隔介護であるため、一般庶民としてはコストの削減が一つの大きな課題である。

 

なんと、今回10月から12月の間に、すでに新幹線移動を2回も行っており、このコストは半端ではない。ということで、今回は人生初の「青春キップ」を活用した移動にトライしてみた。しかし、どうせ時間をかけて移動するのであれば、少しでも楽しみながらトライしてみようということで読書の旅に位置付けることにしたのだ。

 

所持品は軽くするため小さなリュックに収まるだけとし、男一人なので低コストに執着した。もちろんベテランからすればもっとコスト削減する方法があると思われる。

・キップ、札入、ガマグチ

・本(「大世界史」(文藝新書)、「坂の上の雲(1)」(文春文庫)、「82年生まれ、キム・ジョン」(筑摩書房)」他、スマホ内にkindle本数冊。

・ノート、ポストイット、ペンケース、日記帳

スマホ、充電器、充電コード、コンセント、イヤフォン

・歯ブラシ、シェーバー、タオル、ハンカチ、着替え最低限、傘

・ゆで卵、おむすび、ペットボトル飲料

こんなものかな。

大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)

大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)

 

 

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

 

 

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

 

 

朝、最寄り駅の始発5:35に乗って出発。意外と乗車客が多いのにびっくり。

私鉄からJRへの載り入れ駅で改札をくぐらねばならないところ、いつもの調子で乗り換えてしまい途中で下車。初っ端からリスケジュール。しかし、現代はネットの乗り換え案内が充実していて、リスケが簡単にできるのはありがたい。

 

東京駅のホームの座席で、ゆで卵を2個食す。まだ仕事納め前のサラリーマンが乗車待ちしているのに、自分は別世界の人間となっているため、平気でこんなところでゆで卵が食えるようになっているのが可笑しい(笑)。

 

しかし、早朝といえども通勤客は多く、座席シートなど確保できるはずもない。本も読めるはずもない。と思いきや次の新橋で早くもシートを確保。結局この後、すべての乗り換えでシートが確保でき、立ったのは東京までと東京ー新橋間だけだった。

 

東海道本線米原まで、米原から琵琶湖線を乗り継いで約12時間は、まったく苦にならず腰痛の悪化もなかった。感覚として、会社でデスクに座り、時々立ってトイレタイムやコーヒータイム、昼食などを挟みながら終日イスに座ってデスクワークしているのと大差ないのだ。しかも、仕事でなく、ホケ~っと窓の外を見たり、好きなときに本を読んだり、音楽聞いたり、居眠りしたりと好きなように過ごせるわけだから気楽なもんだ。

 

早くも浜松の前で、すでに読みかけていた「大世界史」を読了。これは、2015年ころの情勢が書かれた本なので少々古い。世界史のうちの4年分くらいの誤差は苦にならないかと思い読んでいたが、朴槿恵大統領の名前が出てきたり、トランプの当選予測の話題などが出てくると少々興ざめした。ちなみに、著者の池上彰氏も、佐藤優氏も、本書の中ではトランプ氏は負けるほうに予想していた(笑)。

 

しかしまぁ、そういうところも我慢して読んでみると、あまり世界通でない自分にとっては、いろいろと勉強になったところもある。いきなり中東のシーア派とかスンニ派とかから始まるので、「苦手だな~」と思いつつ読んでいたが、この辺りは国会議員でも知ったぶりしながら間違って認識している人がたくさんいるようで、中学の基礎知識を勉強し直すつもりで読んでみた。

 

それにしても、佐藤優氏の読書量はすごい。以前、立花隆氏と佐藤優氏の対談「僕らの頭脳の鍛え方」を読んだとき、立花氏は「知の巨人」と呼ばれ、佐藤氏は「知の怪物」と呼ばれていたが、まさにその称号は間違いないと思う。イチイチ語る意見の中に、著書かふんだんに引用されているので、よくいちいち覚えてるなと感心してしまう。

ちなみに、この「僕らの頭脳の鍛え方」には二人の著者のオススメ本400冊が紹介されていたが、凄すぎる本ばかりで、自分のこれからの人生に直接役立てられそうな本は10冊くらいしか見つからなかったのを覚えている(笑)。

 

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

 

 

浜松から豊橋行き乗り換えるとボックス席タイプの車両だったので、窓際を確保し、持参のおむすびをほおばる。ここまでキップ以外のコストゼロ。

 

豊橋で大垣行に乗り換えて、これまた持参のカップケーキとボトルコーヒーでオヤツタイム。久々に、80年代ハードロックバンドQUIET RIOTのLIVEを聴きながら、糖分を摂取しながら、車窓の走り去る田舎風景を眺めていると、脳細胞が息を吹き返してくるようである。

 

安城関ヶ原彦根、石山、と歴史を感じる駅名に遭遇するのもこの鈍行の旅の楽しさの一つかもしれない。好きな人は、歴史小説を片手に、史跡めぐりをするんだろうなぁ。城めぐりもよいかもしれない。

 

 途中気づいたことだが、このシーズはこの「青春キップ」で帰省する人たちのラッシュのようだ。いつも乗り換えの時に、大きなスーツケースを抱えた人たちが一斉に乗り換えるが、常に同じ人たちであることが分かった。これから年末年始を過ごすためのグッズが詰め込まれているのだろう。

 

米原を過ぎると、もう射程圏内に入った感覚だ。

京都、高槻、そして大阪に到着。学生時代、新入社員の時代に関わりのある駅では懐かしい時代を思い出すことができた。こういう旅もなかなか良いものである。

 

大阪に到着し、母親の施設へ直行し、しばらく対話のひと時を過ごす。

夜は、難波にある安い素泊まりのホテルへ。2200円也。

金龍ラーメンもゆかりのお好み焼きも近距離。意外と寝るだけならこれで十分。

共用スペースにはなんとブラリーがあるではないか。

フリーのドリンクを飲みながら、読書を楽しめるスペースがある。

 

 

少し時間的なゆとりをもって旅すれば、もっとグルメや観光も楽しめてよかったかもしれない。