気ままな読書ライフ

気ままな読書日記

2019年ラス前の読書                 

麻雀用語で、「オオラス」「ラスマエ」というのがあった。もうする相手がほとんどいなくなったので、少なくとも10年以上はやっていないと思うが、この年の瀬の時期になると、この言葉だけなぜだか思い浮かんでくるのである。今日はラストの前の12月30日なので「ラスマエ」に当たる。

 

個人的に読書のために活用しているツールとして「ブクログ」というサイトがあるが、このサイトでは読書目標の設定ができる機能がある。毎月の目標設定もできるし、年間の目標設定もすることができる。月初めになると「目標を設定しよう」と促してくれ、月の下旬に入ると目標に対する進捗を促してくれる。

 

年頭になんとなく年間100冊見合いの目標を設定してみたが、どうも達成には程遠い。

年間100冊から月目標の設定は8冊としているが、これも年間のうち数か月は達成できたものの、半分以上の月で未達である。それでこの12月の月間目標であるが、現在7冊まで来ている。残りあと2日(正確には1.5日)で達成の有無がかかっている。

 

というわけで、先ほどまで現在進行形の「坂の上の雲」第1巻を少し読んでいたが、やはりどう考えても到達できそうにない。今は「海軍兵学校」の章を読み進めているところで、秋山兄弟の弟・真之が、兄・好古の勧めにより築地の「海軍兵学校」に入ったところの章を読んでいる。

 

 ここまで、兄・好古の人となりや陸軍へ進んだ経緯、次いで弟・真之の幼少期から青年期の来し方。好古がえらんだ「騎兵」の道の背景。真之と子規(正岡子規)の友情の青春時代などが描かれていた。とても読みやすく、情景が目に浮かんでくるようである。

であるので、焦って先を急ぐような読み方はしたくない。じっくり読み進めたい。

 

そういえば、先日読了したがまだブログに書いていない本があった。伊能忠敬のことが書かれた小説「四千万歩の男」(井上ひさし著)について、著者が雑誌や新聞へ寄稿した文、講演した記録、あるいは著者へのインタビュー記事などが編集された本を読んだ。 

四千万歩の男 忠敬の生き方 (講談社文庫)

四千万歩の男 忠敬の生き方 (講談社文庫)

 

 その本の巻末に関連年表が掲載されていたが、1800年のところに「伊能忠敬の御年55歳。蝦夷地を測量して実測地図をつくる(第1回測量)、間宮林蔵と会う。」と記載されていた。

 

つまり、伊能忠敬は55歳から測量を開始し、その出発地が蝦夷地(北海道)であったということだ。間宮海峡という名前を残した、あの間宮林蔵と会ったというか、間宮林蔵伊能忠敬から測量を学んだようである。
 
忠敬は商家の婿養子で、それが第一の人生。そして55歳からが第二の人生のスタートであったということだ。そしてその第二の人生において、日本初の地図を作るという偉業を成し遂げたのである。
 
当時は平均寿命が40歳くらいの時だから、もう皆が隠居しておとなしく余生を過ごそうというようなときに、一念発起してこれをやり遂げたわけだから、これは世の中の壮年世代に勇気と希望を与えてくれる。
 
最近読んだ随筆の中に、バーナードショーの「人生は六十からだ」という言葉を知り、葛飾北斎が自らを「画狂老人」と称し90歳までに3500点もの作品を描き続けたことを知り、プラトンはペンを握りながら死んだというエピソードを知り、目先のことに焦るのではなく、自分なりに地に足をつけて一年一年を刻んでゆきたいと思う。
 
来年も多くの良い本に出会いたいものだ。