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気ままな読書日記

「三国志読本」読み始め

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やっとインターネット環境が整い、パソコンから投稿するのは今日が初めて。

今年になって4日は出社したが、この土日はまだなんとなく正月気分だ。

 

転居先の図書館で借りた第一号がこの「三国志読本」。

年末に、初訪問の図書館館内(小さな分館)をぐるり一周して、正月休み中に読もうと借りた数冊のうちの一冊。「三国志」はなんというか、男のロマンが感じられるので、いつまでたっても、「読みたい」という気持ちがどこかに潜伏している。

 

過去に一度、宮城谷氏の「三国志」が出た時に読もうと思って、挫折した記憶がある。

過去に読んだ吉川英治氏の「三国志」のイメージのままに読み始めたが、なかなか熱い世界に入っていくことができなかったからだ。

 

その意味がやっとわかった。

宮城谷氏も、吉川英治氏や柴田錬三郎氏の「三国志」を愛読されていたようだが、本書で、それらの「三国志」はどちらも「三国志演義」をベースとして書かれたものであるとと明かされている。

 

三国志演義」はフィクションであり、劉備玄徳を主人公に、曹操を悪役に仕立てた勧善懲悪ものであるのだそうだ。確かに、自分の記憶の中にある吉川「三国志」の魅力は、そういう筋書きにあった。しかしながら、フィクションであったとしても、あの血沸き肉躍るストーリは、やはり小説として好きだとしかいいようがない。「三国志演義」の作者・羅貫中も、吉川英治氏も、ロマンを求める作家に違いない。

 

宮城谷氏は、本書の中で「時代小説」と「歴史小説」ということにも触れていた。

吉川氏や柴田氏の「三国志」は「時代小説」に分類されると。そして、この「三国志」を史実に基づいて書かれたものは当時なく、宮城谷氏は初となる歴史小説三国志」の執筆に挑まれただと知った。

 

構想10年、執筆12年。400字詰め原稿用紙5800枚。史実に基づく小説の創作。凄すぎる!

 

というわけで、過去の挫折を大きく反省した。確かに、宮城谷氏も著者として、「あまりにも三国志演義のイメージが読者に浸透しすぎていて、読者の理解を獲るのが難しいと感じた。最初の三巻くらいは、著者としても非常に苦しい期間だった。」というようなことを述べられていた。つまり、著者の苦労を理解できないボンクラ読者だったというわけだ。

 

・・・今日のところは、その気付きをよしとしよう。