気ままな読書ライフ

気ままな読書日記

「BLUE GIANT SUPREME 9」

 

BLUE GIANT SUPREME (9) (ビッグコミックススペシャル)

BLUE GIANT SUPREME (9) (ビッグコミックススペシャル)

 

 

カルテット「NUMBER FIVE」にレコーディングの話が舞い込んだ。あのモーレン5を売り出したMNCレコードの重役ハインドル氏がスポンサーとなってすべての資金を支援してくれるという願ってもないオファー。これが大にとっては人生初のレコーディングとなる。

 

レコーディングエンジニアは、ノア・ヴァッサーマンという一見感情の読めない精密機器のような男。しかし、初のレコーディングに気合の入る大には、そっちは全く目に入らない。一発めのテイクからフルパワーでぶっ放していく。
 
ノアは、彼らのパワーと実力の只者でないことを察知し、自らもこのメンバーの一員と自覚し、全身全霊でレコーディングに集中する。結果、最高の一枚が完成した!
 
このアルバムは、ヨーロッパの各地で大きな予兆を感じさせる確実な反響を獲得していく。オランダのホルスト・ジャズ・フェスティバルでステージにあげてくれたあのサムの手にも届いた。
 
一方、大のバンドで大の代役を務めたスーパープレイシャー・アーネストも自らの道を着実に切り拓いている。ヨーロッパで、いまやアーネストとNUMBER FIVEは、若手ジャズの2大勢力として注目を集めてきた感がある。
 
そんな流れの中、大たちのバンドにビッグなフェスへの出演が決定する。なんとそれはロックフェスだ。規模もこれまでとはけた違いの規模の野外ライブ。そしてそのロックフェスに、ジャズバンドがたった2組出場する。それがなんと、アーネストのバンドと、大たちのバンドだ。
 
ロックのバンドの中で、ジャズバンドがどう存在感を示すのかというのもあり、またその2つの異色のジャズバンドが、どちらも新進気鋭のバンドであるだけに、その注目度がどうなのかというのも興味深い。メンバーの意識の変化もあり、次の展開を見逃すことはできない。
 
今回の巻、ベルリンで苦い思い出のあるDG Cornerでのリベンジの演奏も強烈なインパクトだ。ひょっとするとこの巻のクライマックスは、このシーンだったかもしれない。
 
***
 
と、とりあえず真面目にレビューを書いてから、ベルリンの最悪のステージの様子をもう一度確かめに行ってみた。第5巻だ。
 
ステージに向かおうとする大が、いきなり床の出っ張りにつまづいて、バランスを崩しながらステージに入るシーンから始まり、緊張からハンナのベースがいきなりテンポアップしてしまうのだ。そこからというもの「俺が、俺が、、、」と我の強いブルーノのピアノがどんどん暴走しだす。機転を利かせたラファエルのドラムが、なんとか空中分解を寸前で食い止めたものの、客がバラバラと帰りだす始末。あぁ、なんと悲惨。
テクニックこそあるものの、まったく統一感のない、散々なステージだったのだ。
 
そんな彼らがの最高のリベンジをやってのけた。ほんといいよね、このマンガ(笑)。