気ままな読書ライフ

気ままな読書日記

オススメしてもらった本に着手

今年の暮れも押し迫ってきた。

このブログは、昨年末の転居をきっかけに開設したのでやっと1年となる。なんとか中断することなく、持ちこたえることができた、という感じだ。新しい本、古い本にこだわることなく、自分で「読みたいな」と素直に感じたものを読んできた。だいたい直感は正しい。選んだ本で失敗だった感じた本は、なかったと思う。

 

今回の本は、若干旬を過ぎている感もあるが、書店の店頭ではよく見かけた本である。

あるサイトで「メンタルの療養中で今まで本が読めなかった者が、最近読めるようになってきたのですが、そのような人にオススメの本はありますか?」と公開質問したときに複数の方が、幾つかの本を紹介してくださったが、そのうちの一冊がこの本だった。

自分も人に勧めるにあたり、自分でも読んでおこうと思ってワンクリック購入していたものだ。

 

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

 

 まだ、読了したわけでなく、真ん中あたりを読んでいるところだが、これは紙の本にそのページがあるのかどうかわからないが、ところどころに著者が現地で撮った写真が収められていて、その写真が非常に珍しいものが多く面白い。

 

内容としては、おそらくこれから読む最後の2つの章にクライマックスが込められているような予感がしているが、ここまでもけっこう楽しめて読めている。この本をオススメしてくださった方の気持ちもよくわかる。

 

この著者は、まさに「自分自身に生きる」男であるので、「心に不自由さを感じている人たちにも、心が解放されるきっかけとなるのでは」というような思いでオススメしてくださったのではないかと思う。そういう狙いどおりの本と思う。

 

そもそも、「バッタ」という昆虫に夢中になれる日本人はレアだろう。アフリカのモーリタニアという国に詳しい日本人もレアだろう。この本の魅力は、バッタやアフリカにあるのではなく、著者の生き方にある。もちろん、知らない世界への好奇心は存分に満たしてはくれる。

 

これまでのところで、熱かったのは、著者があこがれのファーブルの学位取得した地や、実際のファーブルの家を訪れたところだ。

 

もちろん、わざわざ未知の異国に飛び込んで、研究に没頭するシーンも面白く読めるが、その研究対象のバッタが60年に一度という大干ばつのために全くいなくなり、研究できない期間、開き直って南フランスのファーブルゆかりの地を訪れたのだ。

 

彼にとってはファーブルというのは、子供時代のあこがれであり、昆虫研究者となった今では、もう伝説の師匠という感じだ。自分が書いた論文原稿を、ファーブルの像に捧げて写真をとって感激するあたりなんぞは、本当にファーブルを尊敬しているんだなぁと気持ちが伝わってきた。

 

彼は、研究を心から楽しんでいるし、モーリタニアの生活や、現地のスタッフとのコミュニケーションも心から楽しんでいる。これで成果が伴い、自身の目的がすんなり達成できたなら、この本の価値は半減しただろう。

 

いま彼は困難に直面している。腹をくくったところだ。

この続きは、今夜の楽しみだ。