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雑談:介護日記2 職場の雰囲気

第二の人生として、自ら選択した新たな職場「有料老人ホーム」。様々な思いや考えのもとに、全く未経験のこの世界で挑戦してみようと決意し、定年退職日の翌日からスタートした。ここではまだあまりこの世界に染まっていないうちに、率直な感想を記し、自身の検討の場にするともに、できれば他者のご意見も伺いたいというスタンスで書いてみたい。

 

第二の人生のスタートといっても、全く未経験のずぶの素人では、自分自身の不安も大きいだろうし、色々な面で迷惑も掛かるだろうと思い、もっとも基礎となる「介護職員 初任者研修」というのを某事業者の研修カリキュラムで事前に受講した。介護の基礎知識を学べるもので、この研修自体は受講者も和気あいあいと楽しい授業であった。

 

机上の知識と実習経験で、実際の職場へ入ったが、色々な面でカルチャーショックをうけた、いや受けているというのが正解だろう。カルチャーがこれまで従事していた企業の事務職とは全く異なり、カルチャーが異なる分目新しく新鮮に感じられるよい面と、カルチャーショックと感じられる面の両面がある。

 

さて、この業界のうわさ通り、離職率が高いということは、入社の時から肌で感じられた。そもそも自分自身は、その離職の穴を補強するための要員として採用されている意味合いが強い。自分自身の4月の採用日以降、毎月のように新たな採用があり、そして離職者(というより契約終了者)もある。

 

しばらく業務に馴染んだスタッフの契約を終了し、新たなスタッフを採用するというのは非効率ではないかと最初は感じた。しかしこの採用傾向を見ていると、経験者で有資格者をどんどん採用して、仕事の即戦力とならないと判断されたスタッフは、容赦なく契約終了されていくという様子がうかがえる。

 

傾向でいうと採用者の年齢も比較的若く、けっこうな経験を積んでいる方ばかり。そして女性率は非常に高い。逆に無資格で採用となった男性スタッフは、早々と契約終了となってしまった。つまり、基本女性の職場である。そして会社はスタッフの採用・契約終了を繰り返して、体制を維持していくスタンスのように思える。

 

この業界の特徴として、「離職して他の職場に流れていく」人が多く、逆に会社側はそういう流れてくる経験者・有資格者を募りやすいため、言い方は悪いが「使い捨て」の文化があるように感じられる。

 

スタッフとしては、オチオチしていられない、雇用面では非常にリスキーな職場と言える。そしてまた、ある程度の経験者・有スキル者であれば、今は要員不足であるため、どこでも面接してもらえるという手軽さがあり、「気に要らない職場ならさっさと辞めて、次の職場を探せばいい」という風潮があると感じる。これが離職率が高い理由でもあるのだろう。

 

雇用形態としては、正社員の他、パート社員、派遣契約社員がいる。また就業パターンはシフト制で、早番、遅番、常勤(日勤)、夜勤があるが、夜勤は負荷が多いし、生活スタイルの適用も難しいため、敬遠される傾向が強く、従って「夜勤をしたくない」という理由で、パートや派遣契約の雇用形態を選択する方が多いようだ。

 

こうなると本来は、最も経験豊かでスキルも高い正社員がおり、その正社員の指揮命令のもとに派遣スタッフが連携をとりあって業務を回していき、手薄となる部分についてパート社員等で補強されているという流れが理想的なように思えるが、実際のところ現職場では、正社員が少なく、しかも経験者・有スキル者がおらず、派遣スタッフのほうが経験が豊かで有資格者であるというのが実情であるため、正社員と契約社員の間の潜在的な確執がある。これは組織活動としても、最もよくない風潮だと感じる。

 

端的に言えば、派遣スタッフ側からすれば、「仕事もできないのに正社員で高い給料をとっている」という不満があり、正社員側からすれば「言いたいことだけ言って、責任から逃げる」という不満があるように思う。そして、その不満を直接ぶつける悪口がさらに職場の雰囲気を悪くしているように感じる。負のスパイラルである。

 

こういうどちらかと言えば、社会的弱者のサポートを買って出る人たちが集まった職場であれば人格的に素晴らしい人達の集団だろうと想像していたが、そうでないのは、この業界の特徴なのだろうか、それともこの自分の職場だけの特徴なのであろうか?お互いの協調性が発揮できて、連携が取れればよいと誰しも思うところだと思うが、どうしてそうならないのか。

 

ともかく、この悪循環からの脱出のためには、自分からはいかなる状況でも悪口は発信しないことだと感じる。また、社員の雇用区分で就職した自分としては、やはりなんといってもスキルを磨き、経験を積まねば話にならないとも感じる昨今である。

 

しばらくは、忍耐力と努力をもってトライアル&エラーで経験を重ねていくしかないのだろう。