「好きな音楽のジャンルは?」と聞かれたら、「ハードロック」と答えていた時期が長かった。いや過去形ではなく、今も好きであることは間違いない。
特に気分が乗らないとき、落ち込んだ時、やる気が出ないときなどには、Deep PurpleのHighway Starや、Led ZeppelinのRocK and Rollなど、勢いのあるサウンドにパワーをもらったように思う。はたまた、どうしようもなくヤケクソの気分の時には、アルコールで脳内に麻酔をかけたうえで、Black SabbathやIron Maidenをフルボリュームで聴きながら「何もかもクソくらえだ」と自暴自棄の夜を過ごしたこともあった。
もちろん、今回世界中で人気が再燃したQueenのように、日常の元気促進のロックもある。ロックは元気の源、リポD的な存在だった。
ところが、あるとき、それも辛い時期に心に浸透してきたのがジャズだ。
初めて聴いたアート・ブレイキーのドラムには、ハードロック以上のパワーを感じた。
ドラムを破くのではないかと思うくらい強烈なドラミングをするジョン・ボーナムが地味に思えるほど、アート・ブレイキーの洗礼は強烈だった。
ジャズの世界に首を突っ込んでみると、太平洋へ航海にでたような感じだ。これと比較するならハードロックは日本海くらい規模に感じる。ともかくジャズは大海で広く、無限に広いという感じがする。そもそも、ハードロックの原点的なバンド、ヤードバーズのバンド名は、サックスの神様チャーリー・パーカーがヤードバーズと呼ばれていたことに由来しているらしく、ジャズの枝流にハードロックがあるという感じがしないでもない。
そんなジャズの大海だから、少々首を突っ込んでも、まだ湾の中をウロウロしているところだ。まぁ、力まず楽しもうと思うが、最近のお気に入りはこのマンガ。「ブルー・ジャイアント」の主人公・宮本大が、日本を出て世界でNo.1のサックス・プレイヤーを目指すストリーで、その世界進出編が「ブルー・ジャイアント・シュープリーム」。
今回は、この前結成したばかりの「ナンバーファイブ」というバンドでのオランダでの初ライブが大成功する。紙面から音が聴こえるマンガというキャッチもあるくらい、ライブの臨場感は今回も凄かった。
そしてもう一冊の入門アイテムは1000円のこの本。他にも名盤紹介本はたくさんあるんだろうけど、この本気に入ってる。今日はこの中から、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの「ザ・フリーダム・ライダー」を聴いた。本書の解説には、この「フリーダム・ライダー」とは自由騎士団のこととある。
白人による黒人への人種差別に抵抗したバス・ボイコット運動。その後、バス内での人種による区別は違法とされたにも関わらず南部では、実態は何も変わることなく、差別状態が続いていたという。そういう実態を正そうと、白人と黒人がバスに同乗して南部へ乗り込んだ、その彼らのことをフリーダム・ライダーと呼んだのだそうだ。
この「フリーダム・ライダー」というアルバムが出されたのが、この事件の直後だというから、アート・ブレイキーもまた戦いの強力な援護射撃をしていたということになるのかな。

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