オッサンになっても読めるコミック 今回も「ヨシ!」
今回も面白かった!!
まずこのシチュエーションの設定のワクワク感が半端ない。
大たちのバンド、名前改め「Dai Miyamoto NUMBER FIVE」と、大のライバルであるアニー(アーネスト)のバンドが、ジャズを率いて、イギリス最大級のロックフェスのステージに立つのである。
「ブリティッシュ ロック」と言われるように、イギリスはロックの聖地だ。ビートルズもストーンズも、かつての三大ギタリストを生んだヤードバーズもみんなブリティッシュなのである。
今回のロックフェスの原点を彷彿させる、あのモンスターズ・オブ・ロック発祥の地もイギリスである。
ロックフェスは、ロッカーにとってはフェス(=祭り)である。全身でパワーを感じ、自らを全体に一体化させる祭りである。
ロッカーには、いくら技術があっても、パワーがなければ音楽じゃないといった、独特のポリシーがある。ちょっと聴いてみて、そのポリシーに合致しなければ、もうあとは見向きもしないという偏見にも近い残酷性も持ち合わせている。
従って、最初から完全にアウェイなのである。
たった2つのバンドじゃ、埋もれてしまう。殴り込みと意気込んでも黙殺されるのがヤマである。
そんなシチュエーションだからワクワク感が半端でないのだ。プレイ前に大の手が震えるように、こちらのワクワク感も高まっていくのである。
大には、とてつもないパワーがあってよかった。大の魂をゆさぶるようなパワーは、ロッカーたちの心に響く。最初にアニーじゃこうはいかなかっただろう。
大とアニーのライバル対決という設定もあっただろうが、このシチュエーションじゃ、技よりパワーのアドバンテージが断然大きい。
だけどもロッカーは細部への拘りが強いというのもある。逆に、いくらパワーがあってもヘタだと許せないものがある。
大にビッグなオファーが来たのは、ただのパワープレイだけによるものではない。テクの上でも認められた結果だろう。