気ままな読書ライフ

気ままな読書日記

帰宅時の本

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今週は、朝の通勤時と帰宅時とで本を読み分けている。

朝の通勤時は、やはり車中が混んでいるということもあり、本を広げるスペースが確保できない。ということでスマホでこじんまりとkindle本を読んでいる。そして、帰りの電車では、これまた混んではいるものの、本を開くスペースは十分ある。今日はラッキーなことに途中から座ることができた。

 

今日の帰りの電車で、この本を読み終えた。

この本は、映画にもなった話題の本だけれども、当初本屋で見かけた時には全く読む気はなかった。ところが、この本の著者・川口俊和氏が、友人の友人であることを知ってから、急に親近感がわき、読んでみることにした。友人の友人なので、まったく知らない赤の他人なのであるが。

 

川口氏は、大阪府茨木市出身で、元・劇団音速かたつむり脚本家兼演出家というプロフィールが巻末に記載されている。

 

この本には4つの話が収められている。「恋人」「夫婦」「姉妹」「親子」

とある喫茶店のあるシートに座って、いくつかの決められたルールを守ることにより、タイムトラベルができるというストーリー仕立てで、これ自体は、過去に行ったり、未来に行ったりというよくある話である。簡単に言えば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンが、喫茶店のシートに変わっただけのことだ。

 

だけどもその仕組みから生まれる人間ドラマは、川口氏ならではだ。

映画では「4回泣ける」というのがキャッチフレーズだったようだが、自分は最後の「親子」の話は本当に泣けた。ちょうど電車が下車駅に滑り込んだときに読み終えたので、誰にも見つからないようにさっさと降りて速足で改札へ向かい涙をごまかせた。

 

やはり脚本家兼演出家だけあって、映像が明確に見えてくる書きっぷりだ。身に着けている服のファッションに関する表現に演出家的なこだわりが感じられた。

 

仕事を終えて、空想的な世界で心を潤す時間を持つというのもよいものだと思う。