気ままな読書ライフ

気ままな読書日記

千冊を鍛とし、万冊を錬とす

今週の通勤読書は、齊藤孝氏の「超速読力」。齋藤孝氏の本は、とても分かりやすいし、文章に啓発力があるので、読むと何かしらモチベーションがアップする。

 

過去にも齋藤氏の「読書力」という岩波新書を読んだことがあるが、この本を読んだときにも「読書意欲」が大いに刺激された記憶がある。この本では、「読書力」を著者の経験から、一定の目安で示されていた。つまり、「文庫本100冊、新書を50冊読み切る」ことができれば、ある程度「読書力」があると言えるということだそうだ。これくらい読めば、読書が自身の中に定着してくるのだそうである。本書の中でも齋藤氏オススメの「文庫本100選」が掲載されており、それを見ただけでもモチベーションが瞬間的にアップするのである。 

読書力 (岩波新書)

読書力 (岩波新書)

 

 

齋藤氏の著書には、「〇〇力」というタイトルの本が多い。おそらく意識してつけているのだろう。そして、今週の通勤本「超速読力」もそのシリーズだ(笑)。普通なら「超速読術」とでもタイトルしたいところだが、「超速読力」としているところに意識が感じられる。早口言葉で3回は言いにくい(笑)。

 

超速読力 (ちくま新書)

超速読力 (ちくま新書)

 

 

さて本題だが、この途中で宮本武蔵の言葉が紹介されている。

「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とする」とするという剣の修行の言葉だ。

それをもじって著者は「千冊を鍛とし、万冊を錬とする」と言っていた。世の中の読書家の人はだいたい1000冊の単位で本を読んでいき、10000冊までいくと、本を見る目ができてくると感じるのだそうだ。齋藤氏自身、まぁ学者ではあるけれども、1日に1冊は読まれていると書かれていた。「打ちのめされるようなすごい本」で有名な米原万里さんなどは、なんと1日に7冊読むことを習慣とされていたとのことで、齋藤氏でさえも驚嘆されていた。まったく、世の中には超人のような人がいるものだ。

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)

 

 実は自分もこの本を図書館で借りたことがあるが、時間切れで途中で返却した苦い思い出がある。それ以来リベンジしていない。ぜひ、本書で「超速読力」をマスターし、再チャレンジしたいものだ。

 

本書の趣旨にも合致するが、速読には、目次情報が非常に有効ということだ。それはわかる気がする。最初に目次にひと通り意識的に目を通しておくだけで、あとあとの読書の理解のスピードによい影響があるようには感じる。本書の目次は、細かく分かれているが、大筋は次の通りだ。心構えから実践へと進み、より高度な速読へと移っていく。

確かに、小説は個人的には中身を理解して、味わいながら読みたい。古典も同じだ。

これを速読して、味わうこともできるとなるとかなり高度すぎる。そんなことができるのか?

 

第1章 「超速読力」を身につける基礎準備 心構え

第2章 「超速読」のやり方 資料を読む

第3章 「超速読」のやり方 新書、実用書を読む

第4章 「超速読」のトレーニン

第5章 高度な「超速読」 小説・古典を味わう

第6章 実際に小説や古典を「超速読」してみよう

 

第6章では、次のような本で簡単なシミュレーションがなされている。

  デカルト方法序説

  宮本武蔵五輪書

  サン・テグジュペリ星の王子さま

  プラトンソクラテスの弁明」

  ニーチェツァラトゥストラ

  マルクス/エンゲルス共産党宣言

 

個人的にもっとも全うな意見と感じたのは、第4章のなかで「知識量を増やせ!知っていれば読むスピードが速くなる」だ。知識が増えれば読むスピードが増す。読むスピードが増せば知識が増える。これは相乗効果だ。テクニックを度外視した基本中の基本かもしれない。

 

いま岩波新書は発刊から3200冊ほど出ているそうで、それらを第1巻からすべて読破している強者がおられるそうだ。リスペクト以外に言葉が見当たらない。

 

 

 
 

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